特集 知っておきたい! 合併症を伴う婦人科がん診療up to date
10.自己免疫疾患を有する婦人科がん患者の留意点
野村 弘行
1
H. Nomura
1
1藤田医科大学医学部産婦人科学講座(准教授)
pp.859-864
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002235
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自己免疫疾患は,自己抗原に対する免疫系の異常反応により惹起され,幅広い疾患が存在する。疫学的に女性に多い疾患であり,しばしば自己免疫疾患をもつ婦人科がん患者に遭遇する。治療としてステロイドや免疫調整薬・免疫抑制薬が使用されることが多く,がん診療にあたって留意すべき点は多い。周術期ではステロイド中止による急性副腎不全の予防のため適切なステロイド補充が必要となる。がん薬物療法時には,現病の症状増悪と副作用との鑑別,薬剤併用による副作用リスクの増加,免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象に注意を要する。患者管理にあたっては,病態を十分に理解したうえでの専門診療科との適切な連携が重要である。
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