特集 知っておきたい! 合併症を伴う婦人科がん診療up to date
6.心血管疾患を有する婦人科がん患者における留意点
佐藤 美紀子
1
,
北野 大輔
2
M. Sato
1
,
D. Kitano
2
1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科分野(診療教授)
2日本大学医学部内科学系循環器内科分野(診療准教授)
pp.837-842
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002231
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腫瘍循環器学(Onco-cardiology)はがん治療学と循環器学が連携した新たな学際領域であり,近年大きな注目を集めている。心血管疾患合併患者の婦人科がん手術では術前のリスク層別化と心負荷に配慮した術中・術後管理(目的指向型管理:GDTや術後早期回復強化:ERAS)がポイントとなる。薬物療法ではアントラサイクリン系薬剤による新機能障害,免疫チェックポイント阻害薬による心筋炎,血管新生阻害薬による高血圧のモニタリングと管理に配慮が必要である。また心血管疾患のためにがん標準治療を断念せざるをえない患者には全人的対応が必要なため,多職種連携が特に重要である。
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