特集 知っておきたい! 合併症を伴う婦人科がん診療up to date
8.肝臓疾患を有する婦人科がん患者の留意点
明石 絵里菜
1
,
吉原 弘祐
1
,
関根 正幸
1
Erina Akashi
1
,
Kosuke Yoshihara
1
,
Masayuki Sekine
1
1新潟大学医歯学総合病院産婦人科
pp.849-854
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002233
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肝疾患を有するがん患者の場合,その肝機能によっては化学療法における抗がん薬の用量調整を必要とするが,一方で抗がん薬の減量や休薬はがんの進行・増悪のリスクをはらんでいる。また,抗がん薬の多くは肝臓で代謝されるため,治療中に薬剤性肝障害を引き起こす可能性があり,慎重な管理が求められる。特に,B型肝炎ウイルスキャリアや既感染患者では化学療法によってB型肝炎ウイルス再活性化を引き起こす可能性もあり,ガイドラインに沿って対応すべきであろう。肝臓疾患を有する婦人科がん患者の治療にあたっては,肝臓専門医との協力により,治療によるベネフィットとリスクを把握して,症例ごとの慎重な対応が重要となる。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.