特集 ポストコロナ時代の産婦人科医療
企画者のことば
末岡 浩
1
Kou Sueoka
1
1慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001772
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新型コロナウイルス感染症によってもたらされた人々の生命への危機感は多大なものがありました。ワクチンの普及しか根本的な救済策が見いだせない医療の限界に気付かされたことも,今後の医療への取り組みに大きな影響を及ぼしたことでしょう。それ以外にも安心安全であると信じてきたわれわれの社会に対する信頼感を覆す事態に直面し,これまで以上に日頃から想定しておかなくてはならなかった備えの重要性に現実的な関心が深まったことは近年になかったことです。これを契機に社会の構造変化が見直され,新たな生活様式が求められています。急激な対応を迫られる変化にこれまでとはまったく異なる戸惑いもあるなか,議論を重ねて積み上げてきた制度や施策に大きな命題を突き付けられ,規制緩和や従来の仕組みの変更が必至の状況になったことも事実です。
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