特集 図説 産婦人科医のための臨床遺伝学必修知識Ⅰ
企画者のことば
末岡 浩
1,2
Kou Sueoka
1,2
1静岡社会健康医学大学院大学(教授)
2慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002632
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医療のなかで遺伝学的情報が診断や治療選択に多く用いられるようになり,さらにゲノム医療法が国会承認され,いよいよ医療のなかにも遺伝子に関する重要性が認められ,現実的に活用の方向性が明確化されました。そのなかで,多くの産婦人科医療においても遺伝学的検査や治療が導入され,産婦人科医も臨床遺伝の専門的知識が求められるようになってきました。分野として周産期領域は妊娠してから児に発生する疾患の診断や,母体管理に関する事例に多く接する診療部門です。生殖医療に携わる産婦人科医は遺伝病や染色体の異数性などに関して着床前診断,流産の診断など遺伝子診断の技術を求められることが多くなっています。また,腫瘍専門医としてはがんにかかわる遺伝子検査や分子標的治療薬の選択などに関する知識が求められることが増えてきています。遺伝子を通じてほかの疾患分野や診療科とのかかわりも発生しています。これまで確定検査が病理学的診断に基づくものでしたが,遺伝子の情報が用いられる局面も増えてきています。
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