特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第3章 胎児心臓の超音波検査
1.四腔断面異常
-c.左心低形成
廣田 篤史
1
A. Hirota
1
1国立循環器病研究センター小児循環器内科部新生児科
pp.1318-1320
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001491
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胎児心エコーの四腔断面像(four-chamber view;4CV)で最も多く指摘される異常は小さな左室である。いわゆる左心低形成症候群(hypoplastic left heart syndrome;HLHS)は,左室と上行大動脈の低形成および僧帽弁と大動脈弁の重度狭窄または閉鎖の組み合わせからなる症候群であり,心房と心室および心室と大血管のつながりは正常で,両大血管右室起始,完全大血管転位,完全型房室中隔欠損などに左室低形成を合併した場合はHLHSと区別する1)2)。病因は様々な説があり,① 左室流入障害による左室発達不全,② 胎児期の大動脈弁狭窄を起因として胎児期に後天的に生じる。その場合,海外では胎児治療がなされている。ほかに,③ 左室心筋異常(fetal cardiomyopathy)もいわれている。
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