特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第3章 胎児心臓の超音波検査
1.四腔断面異常
-a.心室中隔欠損症
前野 泰樹
1
Y. Maeno
1
1聖マリア病院新生児科
pp.1304-1311
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001489
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
心室中隔欠損症(ventricular septal defect;VSD)は400〜500出生に1人発症し,先天性心疾患の20%を占め,最も頻度が高い1)。小さな欠損孔のものであれば,出生後に心不全はきたさず胎児診断の必要性は低い。しかし,大きな欠損孔の児や合併する心血管構造異常や心外の異常により新生児管理が重要となる症例もあり,このような児に対して適切な周産期管理を行うためにも,出生前診断の意義は大きい。一般的な四腔断面像のスクリーニングでは発見しにくい症例も多いが,同じ四腔断面でも少し工夫することで,また正確なチェックポイントを押さえることで,胎児診断の精度が上昇する。本稿では,胎児診断のポイントと,それに伴う周産期管理のポイントについて記載する。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.