特集 エキスパートから学ぶ婦人科ロボット手術update
総論
4.ロボット手術に役立つ骨盤底解剖の理解
京 哲
1
S. Kyo
1
1島根大学医学部産科婦人科
pp.329-336
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001236
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
骨盤底の解剖を系統解剖学で理解するのは容易ではない。膀胱側腔,直腸側腔は系統解剖学には存在しない腔であるが,骨盤内筋膜を掘り進めることによって人工的に作られる腔である。これらの腔はさらにLatzko側腔,岡林側腔などに細分化されるが,いずれも各器官,組織の発生の相違による疎な部分を剝離することで形成される必然的なものである。腔形成の結果として尿管,靱帯,血管,神経などの構造物が浮き彫りになることで解剖が明確となり,手術の質が担保される。ロボット手術では,多関節機能,高解像度拡大視野および気腹圧の存在により,これらの腔の展開がさらに容易となる。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.