特集 On Fleek 産婦人科手術
企画者のことば
岡本 愛光
1
1東京慈恵会医科大学
発行日 2018年10月31日
Published Date 2018/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000612
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産婦人科手術の進化は目覚ましいものがあり,特に腹腔鏡・子宮鏡やロボット支援手術の普及により急速に低侵襲化されつつある。低侵襲性手術は良性疾患,異所性妊娠はもちろんのこと,子宮悪性腫瘍に対しても保険適用となり,短期間で飛躍的進歩を遂げた。しかしながら,初心者にとっては間接視下,遠隔操作,限定された操作空間といった不利な点もあり,安全性が失われたり合併症を増やしては本末転倒である。また,2018年3月にニューオーリンズで開催されたアメリカ婦人科腫瘍学会(Society of Gynecologic Oncology;SGO)においてPhase Ⅲ Randomized Trial of Laparoscopic or Robotic vs. Abdominal Radical Hysterectomy in Patients with Early-Stage Cervical Cancer:LACC Trial.とComparative Effectiveness of Minimally-Invasive Surgery in Women with Early-Stage Cervical Cancerが報告され,早期子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術に関して,低侵襲アプローチは開腹アプローチに劣るという衝撃的な内容であった。日本での検証が必要であるが,悪性疾患に対する低侵襲手術は開腹手術を十分に再現でき,低侵襲性特有の腫瘍細胞の播種を予防することが重要である。
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