特集 想起できるかが分かれ道! 知っておきたい母体合併症
企画者のことば
桑原 慶充
1
Y. Kuwabara
1
1日本医科大学産婦人科
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000302
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周産期の合併症には,発症頻度が低くても母児の予後に深くかかわる特有の疾患が存在します。一部の母体合併症は極めて進行が早く,早期より対処しなければ短時間に母児の生命が脅かされることになります。また,妊娠継続の可否や周産期予後に直接関連するため,過少にも過大にも評価できません。こうした症例は日常的に経験するものではないため,いざ遭遇した際に担当医が鑑別疾患として想い起こせるかどうかが分かれ道となります。一方で,現場の臨床的判断は経験に基づいてなされることが多く,馴染みの薄い疾患を想起することは必ずしも容易ではありません。そのため,発症頻度の少ない重要疾患については,折に触れて情報をアップデートし,引き出せる知識として定着を図っておきたいものです。
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