特集 産婦人科診療で用いられるバイオマーカー
抗ミュラー管ホルモン(anti-Müllerian hormone;AMH)と不妊
浜谷 敏生
1
,
中川 亮
1
,
祝井 麻希
1
,
佐々木 拓幸
1
,
上條 慎太郎
1
,
小川 誠司
1
,
山田 満稔
1
,
田中 守
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1189-1196
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000137
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血中anti-Müllerian hormone(AMH)は卵巣内に残存する卵胞量を反映し,最も有望な卵巣予備能(ovarian reserve;OR)指標の1 つである。若年から低下し始めるため,特に若年者のOR 評価に有用である。血中AMH は月経周期内および周期間で変動が小さく,卵巣刺激(COH)に対する反応性に極めて良好な相関を示し,生殖補助医療(ART)におけるCOH の方法の決定に有用であり,採卵数,良好胚数,生児獲得率にも相関を示す。また,多囊胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome;PCOS)の診断や閉経年齢の予測,卵巣手術前後やがん生殖におけるOR 評価などにも有用性が期待されている。
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