特集 小児科医が診る泌尿器疾患アップデート――どう診断・治療するか? 予後はどうか?
2.夜尿症に対するアプローチ
守屋 仁彦
1
,
日向 泰樹
1
,
椙村 光貴
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児泌尿器科
pp.756-763
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003534
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小児夜尿症では,夜尿のみの単一症候性夜尿症か下部尿路症状を有する非単一症候性夜尿症かを鑑別することが重要である.そのためには十分な問診とともに質問票を用いたスクリーニングや,排尿記録などによる評価が必要となる.単一症候性夜尿症ではアラーム療法やデスモプレシンなどの治療が適応となるが,非単一症候性では下部尿路症状への対処が優先される.下部尿路機能は蓄尿と排尿に大別され,尿意切迫感や切迫性尿失禁などの蓄尿障害に対しては定時排尿や抗コリン薬が適応となり,排尿障害に対しては二段排尿が行われているが症状の改善が不十分な場合には間欠導尿を考慮する.下部尿路症状がコントロールされたのちに単一症候性夜尿症に準じた治療が適応となる.

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