[連載] 最近の外国業績より
血液
日本医科大学小児科学教室
pp.534-537
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003459
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背 景 ステロイドは小児急性リンパ性白血病(ALL)の治療において重要な薬剤であり,複数の治療段階で使用される.ステロイドの抗白血病作用は,受容体を介したがん細胞のアポトーシス誘導と抗炎症作用に由来するが,同時に視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)や海馬,神経伝達物質(セロトニンやドーパミン)にも影響を及ぼすことが知られており,ステロイド関連精神神経症状(SRNS)の発症に関与する可能性が指摘されている.骨粗鬆症,高血糖,高血圧,血栓症などの副作用は広く認識されているが,SRNSに関する研究は限られている.本研究では,小児ALL治療におけるSRNSの発症状況を調査し,その臨床的特徴や管理方法を明らかにすることを目的とした.

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