[連載] 最近の外国業績より
血液
日本医科大学小児科学教室
pp.518-521
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001728
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背 景 小児がんの長期生存者において30歳までに8%,50歳で35%の確立で少なくとも1つの致死的心血管障害をきたすとされる.リスクとしてアントラサイクリン系薬剤の関与と放射線治療があるが,早期の心不全のリスク因子を検出できれば,心疾患を減少できるかもしれない.ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-pro BNP)は心不全の診断と病勢評価に用いられ,正常範囲高値であれば心不全リスクが高く,無症状の小児がん患者の現在の心筋炎との鑑別に有用との報告がある.しかし心不全リスク予知に関する報告はない.今回BNPのバイオマーカーと,① 心毒性のある治療の既往,② 運動負荷への耐用能,③ 現在の心機能との感度・特異度について調査研究をした.
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