特集 乳幼児健診でよくある疑問・相談への対応
食事・栄養
4 母乳・ミルク・食事とアレルギー
-「授乳中の母親の食物除去」「摂取を早める(遅らせる)ことでアレルギーを予防できるか」など
小池 由美
1
1長野県立こども病院アレルギー科
pp.1219-1224
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003236
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ここがポイント
☑乳アレルギーの発症予防において,普通ミルクの摂取を早期に開始しても,摂取を中止するとむしろ発症のリスクを増大させる可能性がある.いったん摂取を開始したら,少量ずつでも継続したほうがよい.
☑すべての乳児のアトピー性皮膚炎に食物が関与しているわけではない.湿疹に対してはまずスキンケアと軟膏での治療を指導し,皮膚状態の改善を図る.不要な食物除去は患児および家族にとって大きな負担となる.
☑食物アレルギーの予防のために離乳食の開始を遅らせることは推奨されない.
☑卵黄が原因の消化管アレルギーが増加している.症状が出現した場合は,半年~1年空けて負荷試験を施行することで寛解を確認できる可能性がある.
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