特集 日常診療に活かせる 専門外来の知識とテクニックⅠ
1.頭部の変形
-――頭のかたち外来
彦坂 信
1
,
金子 剛
1
,
高松 亜子
1
1国立成育医療研究センター形成外科
pp.109-115
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002933
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乳児に認める頭蓋変形には主に,向き癖などの外圧で生じる変形性斜頭症・短頭症と,頭蓋縫合が早期に癒合して生じる頭蓋縫合早期癒合症がある.変形性斜頭症・短頭症は頻度が高く,また保護者の関心も高い.基本的には頭蓋形態の問題であり,軽症例では向き癖の改善や理学的療法を通して改善が見込める.重症例ではヘルメット治療でより早期に大きな改善が得られることが多い.頭蓋縫合早期癒合症は,頭蓋変形の自然な改善が得られず,頭蓋内の狭窄に対して手術が必要な点で重要な鑑別疾患であるが,2者の鑑別は診察のみでは難しい場合がある.小児頭蓋の診療は,頭蓋縫合早期癒合症の診療経験が豊富な施設との連携のもと行うことが望ましい.
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