特集 小児の内分泌疾患up to date
3.複合型下垂体機能低下症の病態と治療
有安 大典
1
1川崎市立川崎病院小児科
キーワード:
複合型下垂体機能低下症
,
中枢性甲状腺機能低下症
,
中枢性性腺機能低下症
,
中枢性副腎皮質機能低下症
,
中枢性尿崩症
Keyword:
複合型下垂体機能低下症
,
中枢性甲状腺機能低下症
,
中枢性性腺機能低下症
,
中枢性副腎皮質機能低下症
,
中枢性尿崩症
pp.720-727
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002215
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本稿では,複合型下垂体機能低下症(CPHD)について発症時期別に概説する.新生児期から乳児期に発症するCPHDの一部は,下垂体発生にかかわる転写因子の異常による.成長ホルモン分泌不全による成長障害の他に,中枢性甲状腺機能低下症,中枢性副腎皮質機能低下症,中枢性尿崩症から,精神運動発達遅滞,副腎不全,高Na血症をきたす.幼児期から思春期に発症するCPHDは視床下部-下垂体近傍の腫瘍性病変や炎症性病変によるものが多い.中枢性副腎皮質機能低下症に対する副腎皮質ステロイドの補充や低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に対する二次性徴の誘導など,年齢や生活様式に応じた治療が必要である.移行期から成人期にかけても綿密なフォローが必要である.
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