綜説
血球テロメア長測定の臨床的意義
成田 敦
1
1名古屋大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
テロメア
,
先天性角化不全症
,
遺伝性骨髄不全症候群
,
再生不良性貧血
Keyword:
テロメア
,
先天性角化不全症
,
遺伝性骨髄不全症候群
,
再生不良性貧血
pp.199-206
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002074
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テロメアは特徴的な繰り返し配列をもつDNAとさまざまなタンパク質からなり,染色体の末端を保護する役割を果たしている.テロメアの維持機能が低下すると,テロメア短縮により骨髄不全,早期老化,がんなどの疾患を発症する.先天性角化不全症はテロメラーゼ複合体遺伝子異常により発症する先天性骨髄不全症の一つであり,テロメア長の著明な短縮が特徴である.先天性角化不全症以外の遺伝性骨髄不全症候群や特発性再生不良性貧血においてもテロメア長の短縮がみられ,造血ストレスに伴う二次性変化が原因と考えられている.テロメア長の測定は小児の骨髄不全症の診断において必須であり,有用な補助的ツールとなり得る.
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