特集 ウイルス感染とその合併症――「風邪は万病のもと」を考える
7.内分泌救急疾患(副腎クリーゼ,甲状腺クリーゼ)
岩松 浩子
1
1大分県立病院小児科
キーワード:
副腎クリーゼ
,
Basedow病
,
甲状腺クリーゼ
,
急性脳症
,
予防
Keyword:
副腎クリーゼ
,
Basedow病
,
甲状腺クリーゼ
,
急性脳症
,
予防
pp.1475-1483
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001970
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
感染を契機に発症する内分泌救急疾患に,急性副腎不全(副腎クリーゼ),甲状腺クリーゼがある.副腎クリーゼは,副腎皮質機能低下の状態に感染などのストレスが引き金となり急激な糖質コルチコイドの不足に陥るために発症する循環不全であり,できるだけ早く糖質コルチコイドを投与することと,予防のための患者教育が重要である.甲状腺クリーゼは,多くはBasedow病に感染などのストレスが加わり甲状腺ホルモン過剰の急性増悪をきたし多臓器不全に至るまれな病態である.Basedow病と診断されていない症例がいきなり甲状腺クリーゼを発症し,発熱,けいれん,意識障害を呈して急性脳症と診断される可能性があるため,鑑別に挙げる必要がある.
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.