特集 子どものコモンな微徴候・微症状
消化器
32.腹部腫瘤がみられない腹部膨満
木村 俊郎
1
,
渕本 康史
1
1国際医療福祉大学成田病院小児外科
キーワード:
5F
,
PALS
,
PAT
,
視診
,
随伴症状
Keyword:
5F
,
PALS
,
PAT
,
視診
,
随伴症状
pp.1153-1156
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001894
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腹部膨満を呈し得る疾患や病態は多岐にわたる1).とくに,乳幼児にとっては腹筋が発達しておらず生理的に腹部が膨れているため,ちょっとした変化で腹部膨満をきたしやすい.また,新生児などでは経口哺乳の頻度が高く,仰臥位でいることが多いため腸管内に空気が入りやすいことから,正常でも腹部膨満をきたすことがある.「不機嫌」や「嘔吐」といった随伴症状がない症例,もしくは診察時の第一印象として「グッタリ感」がない症例であれば,急いで専門施設を受診する必要性は低いと考えられるが,時間経過に伴って病態が変化していき,さまざまな症状が出現してきた場合には,緊急を要する疾患が隠れている可能性も出てくるため注意が必要である.本稿では,必ずしも高次医療機関の小児科および小児外科での治療が必要とはならないレベルの“腹部腫瘤を伴わない腹部膨満”をどのように評価し,対応していくべきかを概説する.
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