診療
乳児期の頑固な便秘症
-―乳児早期便秘と小児便秘
松川 泰廣
1
1大阪旭こども病院(旧 中野こども病院)小児外科
キーワード:
便秘症
,
小児
,
乳児早期
,
宿便性便秘
,
浣腸
Keyword:
便秘症
,
小児
,
乳児早期
,
宿便性便秘
,
浣腸
pp.389-396
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001693
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便秘の児の便性は,生後5か月以内は水様便か泥状便で,6か月以降は硬便となる.本稿では生後5か月以内の便秘を乳児早期便秘,6か月以降の便秘を小児便秘とした.二つの便秘はまったく違う.小児便秘は宿便性便秘である.まず宿便をなくし,その後宿便のない状態を保つのが治療となる.徹底した浣腸で宿便をなくし,宿便がなくなれば下剤を開始し,排便シートに基づき浣腸と下剤を調整して宿便のない状態を保つ.そのなかで便秘は自ずと治って行く.完治には数年かかることもある.一方,乳児早期便秘は宿便性便秘ではない.浣腸を毎日続けると比較的容易に治癒する.宿便性便秘に移行するものもある.いずれの便秘も治療の基本は浣腸である.
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