症例
心不全を合併した小児重症アトピー性皮膚炎
横山 智美
1
,
武藤 雄一郎
1
,
余湖 直紀
1
,
伴 英樹
1
,
高木 祐吾
1
,
平井 克樹
1
,
右田 昌宏
1
1熊本赤十字病院小児科
キーワード:
重症アトピー性皮膚炎
,
心不全
,
ステロイド治療忌避
Keyword:
重症アトピー性皮膚炎
,
心不全
,
ステロイド治療忌避
pp.1013-1018
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001384
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諸外国とくらべ,わが国の小児期アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)の有症率は高く1),小児科医や皮膚科医をはじめとする多くの医師が日常診療にあたっている疾患である.しかし,スキンケア不足や保護者のステロイド忌避などの悪化因子2)が絡み,ADが重症化すれば,著しい電解質異常や低蛋白血症,成長障害などをきたすことが報告されている3)~6).その他,小児ADの重症化では脳梗塞や脳萎縮など多くの合併症をきたす報告7)8)はあるが,小児重症ADに心不全を合併した報告は非常に少なく,われわれが調べた限り国内では1例の報告9)のみである.今回,保護者のステロイド治療に対する忌避を契機にADが重症化し,その治療過程で心不全をきたし,PICUでの全身管理を行った症例を経験したので報告する.
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