特集 小児のぶどう膜炎
2.ぶどう膜炎を伴う尿細管間質性腎炎(TINU症候群)
柳原 剛
1
1日本医科大学小児科
キーワード:
TINU症候群
,
サルコイドーシス
,
ステロイド
,
末期腎不全
,
抗修飾CRP抗体
Keyword:
TINU症候群
,
サルコイドーシス
,
ステロイド
,
末期腎不全
,
抗修飾CRP抗体
pp.847-853
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001344
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ぶどう膜炎を伴う尿細管間質性腎炎症候群は,原因不明の間質性腎炎にぶどう膜炎を伴う症候群である.思春期の男女に好発するが,成人や老人にも発症する.何らかの宿主側の要因に環境因子が作用することによって異常な免疫応答が惹起され,疾患が進行すると考えられている.症状は,発熱や倦怠感,多尿,羞明や視力障害など非特異的である.疾患特異的なマーカーはなく,診断は除外診断による.とくにサルコイドーシスとの鑑別が重要であるが,しばしばその鑑別は困難である.治療は従来,ぶどう膜炎に対する治療を中心に組み立てられてきたが,慢性腎不全に至る症例もあり,ステロイドの適応など治療方針は慎重に判断する必要がある.
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