綜説
胎児心磁図を用いた先天性QT延長症候群の出生前診断と管理
野崎 良寛
1
1筑波大学附属病院小児科
キーワード:
胎児心磁図
,
先天性QT延長症候群
,
胎児不整脈
,
出生前診断
Keyword:
胎児心磁図
,
先天性QT延長症候群
,
胎児不整脈
,
出生前診断
pp.427-433
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001255
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先天性QT延長症候群は胎児期や新生児期早期に重篤な不整脈が生じ,生命にかかわる遺伝性不整脈である.胎児心磁図検査はLQTSに特徴的で危険な心室頻拍(torsade de pointes)がないか,ハイリスクとされる著明なQT延長がないか,胎児期から評価可能な検査法であり,出生前の不整脈の診断・管理に有用である.また,低リスク胎児を判別することは過剰な医療介入を避けることを可能にする.胎児心磁図を用いることで高精度な不整脈診断が可能になるが,現在利用できる施設は限られている.今後,より簡便に利用できる心磁図検査装置が開発され,広く胎児不整脈診療に普及し予後改善につながることが期待される.
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