特集 クリニックで子どもの肝機能障害をみたとき
7.薬物性肝障害
別所 一彦
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児科学教室
キーワード:
肝細胞障害型
,
胆汁うっ滞型
,
中毒性
,
特異体質性
,
早期発見
Keyword:
肝細胞障害型
,
胆汁うっ滞型
,
中毒性
,
特異体質性
,
早期発見
pp.388-397
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001249
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肝臓は体内のホメオスタシスの維持に中心的な役割を果たす臓器である.多くの薬物の代謝が肝臓で行われ,さまざまな代謝産物が産生されるため副作用として肝障害が発現する.抗菌薬,精神科神経科用薬,解熱消炎鎮痛薬,循環器用薬,漢方薬などの薬物に加え,薬草,サプリメントなどさまざまな物質が肝障害の原因物質となる一方で,その症状,検査値,組織像は非特異的でバイオマーカーがないため診断に苦慮することが多い.また薬物性肝障害は原因薬物の摂取を中止すれば自然軽快することが多い一方で,放置されると急性肝不全に進行し肝移植を要することもあり,早期に気づき,他の肝障害の原因を除外するとともに適切な治療を行うことが重要である.
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