特集 小児 一次救急マニュアル─帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き─
❶一次救急の基礎
3.一次救急における子どもへの薬物投与
草川 功
1
1聖路加国際病院小児科
キーワード:
薬物投与
,
対症療法
,
症状の修飾
Keyword:
薬物投与
,
対症療法
,
症状の修飾
pp.458-463
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000845
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
一次救急において,薬物投与(処方)を行うのは,基本的に帰宅させると判断した時になる.すなわち,すぐに生命にかかわるような状況ではない場合,病状をみるための1~2日の時間的余裕がある場合,診断が確実で経過が予測される場合,軽症でとくに治療を必要としない場合などが挙げられる.これらの薬物の処方期間に関しては,原疾患がわかっている場合には,治癒までに必要な日数の処方を行うが,原疾患が明確ではない場合のいわゆる対症療法の場合には,1~2日分のみの処方として,病状の経過を確認するためにも受診を促すことが賢明である.このように,小児一次救急においての薬物投与は,その目的をしっかりと意識して処方することが重要で,中途半端な薬物使用は,症状を修飾してしまう可能性もあり,結果として診断を遅らせ重症化させてしまう場合もあることを忘れてはならない.
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.