診療
小児寄生虫感染症の対策・予防
吉川 正英
1
,
沢田 敦
1
,
間瀬 史絵
1
,
平位 暢康
1
,
大西 智子
2
,
武山 雅博
2
,
笠原 敬
3
,
王寺 幸輝
1
1奈良県立医科大学病原体・感染防御医学
2奈良県立医科大学小児科学
3奈良県立医科大学感染症センター
キーワード:
蟯虫症
,
日本海裂頭条虫症
,
先天性トキソプラズマ症
,
マラリア
,
アニサキス症
Keyword:
蟯虫症
,
日本海裂頭条虫症
,
先天性トキソプラズマ症
,
マラリア
,
アニサキス症
pp.1079-1086
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000520
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現在の感染症法では届出対象の寄生虫疾患はエキノコックス症・マラリア・アメーバ赤痢・クリプトスポリジウム症・ジアルジア症の5疾患のみであり全寄生虫症の実数は不明である.そこで,医中誌による小児寄生虫疾患の文献検索を試みた.希少疾患では同一症例の複数の文献登録も含まれるが症例報告文献数の多い順に記載すると,日本海裂頭条虫症,先天性トキソプラズマ症,マラリア,肺吸虫症,アニサキス症,トキソカラ症,エキノコックス症,蟯虫症,広東住血線虫症,マンソン住血吸虫症,クリプトスポリジウム症,赤痢アメーバ症,ジアルジア症,回虫症,瓜実条虫症,無鉤条虫症であった.蟯虫症は,比較的日常的に遭遇するゆえに報告数は少ないが,現在のわが国の小児診療において登場する寄生虫疾病のおおよその種類と頻度が反映されていると思われる.代表的疾病について概説を加えた.
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