綜説
職域における麻疹・風疹対策の課題
-―産業医の立場から
増田 将史
1
1イオン株式会社グループ人事部
キーワード:
麻疹・風疹対策
,
労働衛生
,
産業医
Keyword:
麻疹・風疹対策
,
労働衛生
,
産業医
pp.183-188
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000343
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職域における麻疹・風疹対策は労働衛生管理上の課題でもあり,産業医の協力のもと,労働者の感染予防や感染拡大防止策が実施されている.職域で行われている健康診断等と併せて,抗体価や予防接種歴の確認等についても実施することが期待されているが,日本の労働法では労働衛生活動は事業者責任にて実施することとされており,把握した健康情報に対して安全配慮義務(民事上の賠償責任)が生じることになる.事業者の責任やコスト負担の過度な増加,免疫未獲得の労働者の就労機会の毀損といった問題を惹起することがないよう,公衆衛生上の施策との棲み分け・役割分担を明確にしたうえで,麻疹・風疹対策を推進していく必要がある.
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