特集 どう診るか?どこまで診るか? 小児の軽症外科
6.歯の外傷
近藤 圭祐
1,2
1埼玉医科大学総合医療センター歯科口腔外科
2本間記念東北整形外科・東北歯科
キーワード:
小児
,
顎顔面外傷
,
歯の外傷
,
口腔感染症
Keyword:
小児
,
顎顔面外傷
,
歯の外傷
,
口腔感染症
pp.35-42
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000309
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乳歯と永久歯では構造が異なるため受傷後の治癒過程に違いがみられる.乳歯列は2歳6か月頃で完成した後,6歳頃より永久歯との交換が始まり,15歳頃に永久歯列となる.顎顔面骨の成長は10歳頃に80%に達し,20歳頃で完成する.この様に小児は発育段階にあるため段階を考慮した治療が必要となる.口腔内には約700種類の細菌が存在し,創傷からの感染のリスクを伴い,唾液の存在が止血を困難とする場合がある.口腔内の外傷治療を行う際は,口腔内特有の環境に配慮する必要がある.また最近では,口腔外傷や多発う蝕と虐待の相関性も指摘されており来院に至った背景や子供を取り囲む環境にも注意を払う必要があると考えられる.
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