診療
小児の咽頭診察のポイント―扁桃肥大と鼾
杉山 剛
1
1一宮西病院小児科
キーワード:
咽頭視診
,
鼾
,
口蓋扁桃肥大
,
アデノイド増殖症
,
上気道狭窄
Keyword:
咽頭視診
,
鼾
,
口蓋扁桃肥大
,
アデノイド増殖症
,
上気道狭窄
pp.1241-1247
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000178
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
睡眠中の異常呼吸音である鼾は,上気道狭窄の存在を示唆する.小児の上気道狭窄の原因は乳幼児ではアデノイド増殖,口蓋扁桃肥大,鼻副鼻腔炎が多く,学童期以降はアレルギー性鼻炎の頻度が増加する.そのため上気道狭窄の診察には咽頭ばかりでなく鼻腔の診察も重要である.さらに近年の食の欧米化による「噛まない食事」により小顔化や小顎化が進んでいる.咽頭の前方に位置する口腔の狭小化は,舌根の後退により二次的な咽頭狭小をきたす.このような例では歯列の診察により重要な所見が得られることも少なくない.鼾や口蓋扁桃肥大を訴え受診する小児の診察においては,咽頭,鼻腔,口腔を「気道」と捉えて診察することが病態の理解につながる.
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.