特集 母斑・母斑症UP DATE
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)
倉持 朗
1
1埼玉医科大学皮膚科学教室
キーワード:
神経線維腫症1 型
,
NF1 遺伝子
,
Neurocristopathy
,
RASopathy
,
腫瘍発生
,
形態形成異常
Keyword:
神経線維腫症1 型
,
NF1 遺伝子
,
Neurocristopathy
,
RASopathy
,
腫瘍発生
,
形態形成異常
pp.1177-1194
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000171
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神経線維腫症1 型は原因遺伝子NF1 の機能喪失型変異に基づく母斑症である.本症に特異的な色素班・腫瘍や形態形成異常は,NF1 がRASopathy でありNeurocristopathy であることからある程度説明できる.またNF1 に生じる種々の臓器の腫瘍・形態形成異常の発生には,second hit としてのsomatic NF1 mutation が関わる.種々の病変の出現頻度・発症時期には一定の特徴があるが,1 個人にすべてのskin・organ manifestation が出現するわけでもなく,intrafamilial phenotype variation もしばしば認められる.未知の事項は多いが,NF1 がmultisystem disorder であり,特徴的な腫瘍・形態形成異常や発達障害を,高い頻度で生じるという事実は,NF1 の児を長期にわたり慎重に診ていくことの重要性,また他科と連携し診療科横断的に最良の治療・対応を行っていくことの必要性の根拠を与える.
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