整形外科 名人のknow-how
人工骨幹置換術update
-―適応から最新デバイス,手術手技まで―
今西 淳悟
1
,
佐藤 健二
1
Jungo IMANISHI
1
1帝京大学医学部,整形外科学講座
pp.1360-1365
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003593
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人工骨幹置換術は,大腿骨・上腕骨・脛骨の骨幹部に発生した骨・軟部肉腫やがんの骨転移,あるいは軟部肉腫切除に伴う骨欠損に対する再建術の一つである。骨幹部欠損の再建には,患者背景に応じて様々な選択肢が考慮される(表1)。例えば,若年者で長期的な耐久性が求められる場合は,骨の成長や肥大も期待できる血管柄付き腓骨移植や同種骨移植,液体窒素処理自家骨移植などが主に用いられる。一方,生命予後が比較的短い中高年のがん骨転移患者に対しては,手術侵襲が少なく早期の機能回復が望める術式が優先される。その代表が,1965年にScheuba1)が世界で初めて報告した骨セメント充填と内固定を組み合わせた術式である。本邦でも1970年代から広く臨床応用されてきた。

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