経舟状骨月状骨脱臼を伴った舟状骨粉砕骨折に対して遊離血管柄付き骨移植を行った1例

A scaphoid fracture with trans-scaphoid lunate dislocation treated with the vascularized bone graft

要旨：症例は45歳男性。5mの高さから転落し右手舟状骨粉砕骨折および月状骨掌側脱臼を受傷した。舟状骨腰部の粉砕骨片を切除し，生じた骨欠損部に遊離血管柄付き骨移植を行った。術後12週で骨癒合し，術後1年で骨壊死は生じていなかった。骨欠損を伴う粉砕脱臼骨折例への骨接合術は骨壊死や偽関節リスクが高く，有茎や遊離血管柄付き骨移植が望ましい。大腿骨内顆からの移植骨は大きさや血管茎が十分確保でき，本例に有効であった。