整形外科 名人のknow-how
外側型変形性膝関節症に対する遠位大腿骨骨切り術
佐々木 英嗣
1
Eiji SASAKI
1
1弘前大学大学院医学研究科,整形外科学講座
pp.1508-1513
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003213
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膝周囲骨切り術は変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee;膝OA)に対する治療と進行予防の観点から重要な役割を担う術式であり,早期から進行期膝OAに広く行われている。本邦における外側型膝OAの有病率は男性2.1%,女性3.0%と決して高くはないが1),外側半月板損傷や下肢の骨折後変形,関節リウマチなどの炎症性疾患,股関節疾患に関連して発生・進行することが知られている。末期膝OAに至れば人工膝関節置換術の適応となるが,炎症性疾患や股関節疾患のない若年者の外側大腿脛骨関節単独のOAであれば骨切り術の適応となる。内側閉鎖式遠位大腿骨骨切り術(medial closed wedge distal femoral osteotomy;MCDFO)と外側開大式遠位大腿骨骨切り術(lateral open wedge distal femoral osteotomy;LODFO)の2つの術式がある。MCDFOとLODFOの術後中期成績には差がないが,いずれも合併症発生率や再手術率は低くなく,利点と欠点を理解した上で術者の好みにより選択されているのが現状である2)。当科では手技の簡便さと合併症のリスク軽減の観点からLODFOを行っており,その手術手技のポイントについて説明する。
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