整形外科に関わるすべての業務をDX化する「整形外科これだけ」―整形外科診療補助・整形外科医師教育アプリ―

“Orthopaedic Essentials”；orthopaedic medical assistance and orthopaedic surgeon education application

要旨：医療業界におけるアナログ作業の持続は，労働生産性の低下という顕著な課題を引き起こしている。特に，医療および介護分野における労働生産性は全産業平均の約60％にとどまり，デジタルトランスフォーメーション（DX）の必要性が高まっている。この背景を受け，「整形外科これだけ」アプリは，大阪大学整形外科によるSNSを活用した新入局員勧誘の成功体験をもとに，医療現場のDXを推進する目的で開発された。本アプリは，徒手検査，分類，解剖などを含む12本の柱を通じて，整形外科診療と教育の質の向上を図り，リリース後半年で2,400名を超えるユーザーを獲得した。本アプリは医療現場および教育のデジタル化において重要な役割を果たしている。「整形外科これだけ」アプリの具体的な開発経緯を述べ，実際の診療や教育現場での具体的な効果を示した。さらに医療DXの一角を担う将来的なアプリの進化について述べた。