クラウドとiOSのジャーナル機能を活用した医師勤怠情報の集約化におけるDX

DX in the aggregation of physician attendance information utilizing cloud and iOS journal features

要旨：医療におけるDX（digital transformation）の一環として，筆者らが現在トライアルに向けて準備を進めている「勤怠情報統合サービス」の事例を紹介した。このサービスは，クラウド技術を利用し，医師の勤務データを一元管理することで，医療機関全体の効率的な勤怠管理とデータ活用を実現する。特に，複数の勤務地をもつ医師の勤務実態を正確に把握し，それに基づいた改善策を提案することが可能となる。さらに，iOS 17.2で導入されたApple社のジャーナル機能とJournaling Suggestions APIを活用し，医師の労働状況をリアルタイムで捕捉し，そのデータを医師自身の健康管理やウェルビーイングの向上に役立てる方法を提案した。これにより，医師の労働時間の適正化だけでなく，医療の質の向上にも寄与することが期待される。これらのシステムは，医師自身が情報の所有者として，その情報の使用，共有，保存に関して完全な決定権をもつことを基本方針としている。