小児前腕骨（遠位部，骨幹部）騎乗型骨折は保存療法可能か？ -―徒手整復成功率と保存療法完遂率―

Is it possible to do the conservative therapy to riding type fracture of the pediatric forearm fractures? the success rate of the manual reduction and the completion rate of the conservative therapy

要旨：筆者は小児前腕骨騎乗型骨折に対し，外来にて局所麻酔下で積極的に徒手整復し，可能な限り保存療法を行っており，その結果を報告した。対象は過去6年間に徒手整復を試みた11例（遠位部7例，骨幹部4例）で，男児9例，女児2例，平均年齢9.1（5～12）歳である。徒手整復にて短縮を矯正できた症例は11例中11例（徒手整復成功率100％），その後の経過で，転位を生じ手術を要した症例は1例存在したが，それ以外の10例は保存療法を完遂できた（保存療法完遂率91％）。保存療法を完遂できた10例中8例で徒手整復時や経過中にアライメント不良（角状変形）が生じていたが，corrective castで再整復を行うことで保存療法の継続が可能であった。