Japanese
English
特集 変形性関節症の病態に迫る―疾患修飾による治療を展望して―
早期変形性膝関節症の関節軟骨破壊機構と早期診断
Mechanisms of articular cartilage destruction and diagnosis of early-stage knee osteoarthritis
塩澤 淳
1
,
石島 旨章
1
,
岡田 保典
2
Jun SHIOZAWA
1
,
Muneaki ISHIJIMA
1
,
Yasunori OKADA
2
1順天堂大学大学院医学研究科,整形外科・運動器医学講座
2同上,運動器疾患病態学講座
キーワード:
Early-stage knee osteoarthritis
,
Articular cartilage destruction
,
Hyaluronan-aggrecan degradation
Keyword:
Early-stage knee osteoarthritis
,
Articular cartilage destruction
,
Hyaluronan-aggrecan degradation
pp.1401-1409
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002765
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要旨:変形性膝関節症(膝OA)においては,早期診断・早期治療の確立は現在求められている重要課題である。近年の研究により,OAの疾患概念は2010年をターニングポイントとして,変性疾患から炎症性疾患に大きく転換した。また,大規模疫学調査研究や画像解析研究により,臨床症状のない膝OAの前段階の存在が確定され,膝OA発症・進展リスク因子として,骨棘,半月板障害,滑膜炎,軟骨下骨病変などが同定されてきた。早期膝OAの関節軟骨破壊には,関節軟骨中のヒアルロン酸-アグリカンネットワーク構造の酵素による分解が必須であり,ヒアルロン酸とアグリカンの分解にはそれぞれHYBIDとADAMTS4が中心的な役割を果たしており,関節軟骨細胞が発現して軟骨を直接破壊する経路と滑膜細胞が産生して関節液を介して関わる破壊経路が存在する。早期膝OAの国際的な分類基準や診断基準の策定に関しては,現在検討されている。
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