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特集 整形外科におけるコンピュータ支援技術
MIST(最小侵襲脊椎治療)に対するXR(VR/AR)技術・メタバースの応用と展望
Application and prospects of XR technology and metaverse for MIST(minimally invasive spine treatment)
成田 渉
1
Wataru NARITA
1
1亀岡市立病院,整形外科・脊椎センター
キーワード:
Minimally invasive spine treatment(MIST)
,
Extended reality(XR)
,
Metaverse
Keyword:
Minimally invasive spine treatment(MIST)
,
Extended reality(XR)
,
Metaverse
pp.1083-1089
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002676
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要旨:近年のコンピュータ関連技術の進歩により,ほぼすべての医療画像はコンピュータによる制御を受けており,コンピュータを使用した診断治療機器の性能はそれらを制御するソフトウェアに依存するようになってきた。そのなかでコンピュータが行った計算結果を人間の視覚に投入する技術に新しい変革が起こってきている。仮想現実および拡張現実,複合現実を総称したextended reality(XR)はその代表的なもので普及が目覚ましく,教育用ツールから直接手術支援まで様々なアプリケーションが考案されており,既存のナビゲーションの概念を凌駕する支援技術の可能性が期待されている分野である。筆者はこれらを脊椎手術へ応用し,椎弓根スクリュー挿入手技のためのシミュレータや術中に患者個別の解剖を確認できる画像支援機器を開発した。これらの技術は,術者の解剖の立体的把握および空間認識を向上させるだけではなく,手術手技に関する医療教育にも有用と考えた。また,XRを用いたオンラインカンファレンス(メタバース)では仮想空間内にインプラントと骨臓器データをARマーカーでアバター位置を共有しながら手術中に遠隔地とカンファレンスが可能であった。これらの技術は,術者の立体的な解剖知識や空間認識を向上させるだけでなく,医学教育,特に手術技術の習得にも有益であると考えられる。現段階では,位置精度などの課題が存在するものの,技術の進歩により実用的な画像支援デバイスへと進化することが期待されている。
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