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特集 骨粗鬆症と運動器疾患
わが国の骨粗鬆症と骨折の長期トレンド
Long-term trends in osteoporosis and fractures in Japan
吉村 典子
1
Noriko YOSHIMURA
1
1東京大学医学部附属病院22世紀医療センター,ロコモ予防学講座
キーワード:
Prevalence
,
Incidence
,
Long-term trend
Keyword:
Prevalence
,
Incidence
,
Long-term trend
pp.243-248
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002476
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要旨:地域住民コホートROADスタディのデータを用いて骨粗鬆症の有病率,発生率に加えて10年トレンドを推定した。WHO基準を用いて骨粗鬆症の有病率(40歳以上)を求めたところ,腰椎骨粗鬆症の有病率は男性で1.4%,女性で13.9%,大腿骨頚部の場合,男性4.1%,女性18.3%となった。この結果を10年前のベースライン調査結果と比較したところ,最近の腰椎骨粗鬆症の有病率は10年前より有意に低下していたが,有病者数は1,590万人(男性410万人,女性1,180万人)と増加傾向にあった。5年ごとに実施されている全国調査により推定される大腿骨近位部骨折の発生率は,男女とも70~79歳の群では低下傾向にあったが,90歳以上の超高齢群では増加傾向にあった。発生率から推定された大値骨近位部骨折の発生者数をみると,直近の大腿骨近位部骨折発生者数は193,400人(男性44,100人,女性149,300人)であり,人口の高齢化を反映して,依然として増加傾向にあった。
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