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特集 上位頚椎疾患・外傷の病態と治療
頭蓋底陥入症の病態と治療
Pathophysiology and treatment of basilar invagination/impression
高畑 雅彦
1
,
鐙 邦芳
2
Masahiko TAKAHATA
1
,
Kuniyoshi ABUMI
2
1北海道大学,整形外科
2札幌整形外科
キーワード:
Basilar invagination
,
Basilar impression
,
Posterior reduction and fusion
Keyword:
Basilar invagination
,
Basilar impression
,
Posterior reduction and fusion
pp.1133-1139
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002250
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要旨:頭蓋底陥入は関節リウマチによる環軸関節破壊や先天的な頭蓋頚椎移行部の骨関節形態異常を基盤として発症する。進行すれば頚髄や脳幹部を圧迫し,高度の四肢麻痺や呼吸筋麻痺などを引き起こす危険性の高い病態である。治療は頭蓋底内に陥入した歯突起を前方から切除する直接除圧法と,後頭骨プレートスクリューと椎弓根スクリューなどの強固な固定アンカーを用いた後方矯正固定術による間接的脊髄除圧がある。後方矯正固定術は非強直例に有効な方法であり,動的な脊髄障害要因の除去やアライメント改善による軸椎下病変発生リスクの低減といった利点もある。ただし,頭蓋底陥入症の患者では骨・関節破壊や先天的な骨・関節形態異常が基盤に存在しているため,安全かつ確実な後方固定アンカーを得るために画像診断を中心とした詳細な術前計画が不可欠である。
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