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特集 整形外科医が知るべきスポーツ内科学
アスリートにおけるその他の内科的疾患
Other illnesses in athletes
田畑 尚吾
1
Shogo TABATA
1
1慶應義塾大学医学部,スポーツ医学総合センター
キーワード:
Illness
,
Anemia
,
Diabetes
Keyword:
Illness
,
Anemia
,
Diabetes
pp.33-44
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001149
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要旨:適度なスポーツ活動は,健康増進や疾病予防に有効であるが,運動量や運動強度の増加に伴い,外傷・障害のリスクも高くなる。競技レベルの高いアスリートでは,日頃から身体的・精神的に大きなストレスを受けていることに加え,度重なる遠征に伴う気候や標高,食事などの環境変化などから,パフォーマンスに影響を与えうる内科的障害を発症するケースも少なくない。鉄欠乏性貧血は,アスリートの内科的疾患として頻度が高い。鉄欠乏の予防のためには,必要量の鉄を食事で摂取することが基本であるが,治療目的で鉄剤を処方する際には,定期的にヘモグロビンやフェリチンの値を確認すべきである。消化器疾患としては,海外遠征時の胃腸炎や,運動時の腹痛などがみられるケースがある。甲状腺疾患や1型糖尿病などの内分泌・代謝疾患は,若年のアスリートにも発症しうる疾患である。内科的側面からアスリートを診察する際には,それらの疾患を鑑別することを念頭に置いて診療にあたる必要がある。
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