整形外科手術 名人のknow-how
変形性膝関節症に対するdouble level osteotomy
中山 寛
1
Hiroshi NAKAYAMA
1
1兵庫医科大学,整形外科学教室
pp.1162-1165
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001013
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2013年10月,『Osteotomies Around the Knee』の著者であるドイツLobenhoffer教授とオランダのHeerwaarden先生の骨切り術を見学に行く機会があり,double level osteotomy(DLO)という骨切り術の存在を知った。本邦では変形性膝関節症(osteoarthritis;OA)に対する骨切り術として,高位脛骨骨切り術(high tibial osteotomy;HTO)が主流であり,大腿骨遠位で骨切り術を行うことは容易ではないと考えられていた。これらヨーロッパの施設では下肢全体の変形解析を行い,変形部位での骨切り術が行われていた。すなわち,大腿骨遠位に変形の原因があれば遠位大腿骨骨切り術(distal femur osteotomy;DFO),脛骨近位に変形の原因があればHTO,大腿骨遠位と脛骨近位に変形の原因があればDLOを行うという考えである。当時,本邦でこのような概念で骨切り術を行っている施設は少なく,DLOの概念,テクニックを深く学びたいと考え,翌年ドイツ,チュービンゲン大学のSchröter教授のもとに留学した1)。本稿では帰国後から筆者が行ってきたDLOについて,pitfallを中心に述べる。
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