特集 内分泌疾患に伴う運動器障害
甲状腺機能亢進症の筋・骨格系障害
吉原 愛
1
1伊藤病院,内科
キーワード:
Hyperthyroidism
,
Thyrotoxic periodic paralysis
,
Gravesʼ disease
Keyword:
Hyperthyroidism
,
Thyrotoxic periodic paralysis
,
Gravesʼ disease
pp.1559-1566
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000235
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
要旨:甲状腺機能亢進症における筋症状の代表に筋力低下があり,近位筋で著明であるのが特徴である。また,若年男性では食事摂取過多,飲酒,強度の運動を伴うと周期性四肢麻痺による脱力発作を起こすことはよく知られている。一方,甲状腺機能亢進症では骨吸収が亢進し骨量が低下するため,続発性骨粗鬆症を生じる。筋力低下,骨量減少は,甲状腺機能の正常化に伴い回復する。周期性四肢麻痺についても,甲状腺機能正常化に伴い脱力発作は消失する。閉経後女性や高齢者に甲状腺機能亢進症を生じた場合には骨粗鬆症,骨折のリスクが上昇する。甲状腺ホルモンの正常化に伴い骨量の回復は見込めるものの,リスクが高い患者においては骨粗鬆症への治療介入も考慮が必要である。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.