特集 悪性脳腫瘍に対する放射線治療戦略と治療前後の画像診断の役割
はじめに
青山 英史
1
,
小川 敏英
2
1新潟大学医学部 放射線医学
2鳥取大学医学部 画像診断治療学
キーワード:
脳腫瘍
,
放射線治療
,
画像診断
Keyword:
脳腫瘍
,
放射線治療
,
画像診断
pp.369-370
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/rpJ.0000000017
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この20 年間の放射線治療の進歩は大きく二つに分けて考えると理解しやすい。一つは「的」を絞りこむ技術,もう一つは絞り込んだ「的」を射抜く技術の進歩である。言葉を変えると前者は画像診断技術の進歩を,後者は定位放射線照射,強度変調放射線治療や粒子線治療などの照射技術の進歩を示す。放射線治療における本格的な画像利用は,90 年代前半のCT を三次元情報として放射線治療計画に用いるところから始まった。これはちょうどCT,MRI やPET などの画像診断技術が長足の進歩を始めたころと時を同じくする。90 年代後半になるとCT ではよくみえない腫瘍に対してMRI の利用が模索された。特にその傾向が強かったのは通常の画像診断がMRI で行われる中枢神経の領域である。2000 年頃になり一部の施設では治療専用MRI が導入され,中枢神経領域ではMRI 上で作成された照射ターゲット(的)を用いた治療計画がルーチンで行われるようになった。
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