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局所進行頭頸部がんに対する根治的治療は手術もしくは化学放射線療法である。根治的手術後には,術後病理所見にて顕微鏡的断端陽性(incomplete resection:ICR)もしくは節外浸潤(extranodular extension:ENE)を有する術後再発高リスク患者の場合にはシスプラチン(CDDP)を用いた術後化学放射線療法が推奨される。CDDPの投与方法については,欧米で行われた2つのランダム化第Ⅲ相試験であるRTOG95-01試験とEORTC22931試験の結果からCDDP 100mg/m2(3週ごと,3回)を放射線治療と同時併用する3-Weekly CDDP+RTが標準的とされてきた1)2)。本治療法は日本人における忍容性も前向き試験で確認されているが3),高用量のCDDP投与による副作用(腎障害,骨髄抑制,聴力障害など)の影響で海外の臨床試験でも3回同時併用できるのは60%程度と報告されている1)2)。このため,毒性が低く同等の有効性が期待できる治療法が望まれてきた。そのような中で,これまで毒性が軽いと考えられてきたCDDP 40mg/m2(毎週,7回)を投与するWeekly CDDP+RTの標準治療である3-Weekly CDDP+RTに対する全生存期間(OS)における非劣性を検証するランダム化第Ⅱ/Ⅲ相試験のJCOG1008試験がJCOG頭頸部がんグループにおいて行われた4)。この結果は2022年にJournal of Clinical Oncologyに報告され,Weekly CDDP+RTの非劣性が証明され新たな標準治療となり実臨床においても使用されることとなった5)。本稿では,局所進行頭頸部がん術後再発高リスク患者に対する術後治療の開発の歴史と,今後の展望について解説する。
Standard treatment for postoperative high-risk patients with locally advanced head and neck squamous cell carcinoma is concurrent chemoradiotherapy(CRT)with cisplatin. As a result of a randomized phase Ⅱ/Ⅲ study of JCOG1008, CRT with weekly cisplatin at dose of 40 mg/m2 is non-inferior to CRT with 3-Weekly cisplatin at dose of 100 mg/m2 in terms of overall survival. Further development of postoperative treatment including the combination of immune check point inhibitors plus CRT is now ongoing.
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