特集 画像診断レポート ここだけは落とせない!主治医に伝えるべきポイント
第4章 心臓・大血管
4 肺塞栓症・深部静脈血栓症
田村 全
1
,
山田 祥岳
1
,
陣崎 雅弘
1
1慶應義塾大学医学部 放射線科学(診断)
キーワード:
肺塞栓症
,
深部静脈血栓症
,
CTPA
Keyword:
肺塞栓症
,
深部静脈血栓症
,
CTPA
pp.1327-1333
発行日 2022年10月31日
Published Date 2022/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000002130
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肺塞栓症は急性肺塞栓症(acute pulmonary embolism:APE)と慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)に分類されている。APEは主に下肢深部静脈に形成された血栓[深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)]が肺動脈に塞栓し,循環・呼吸を障害する疾患である。近年はこれらを一連の病態として捉え,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)として治療および予防が行われるようになっており,高齢化,診断率向上,癌患者増加により,患者増加傾向である。CTEPHは慢性的な肺血栓塞栓症による器質化血栓により,広範囲の肺動脈が狭窄または閉塞し,肺高血圧症を呈した状態である。早期に適切な介入がされなければ予後不良な疾患であるが,薬物療法の発達に加え,2000年代以降バルーン肺動脈形成術(balloon pulmonary angioplasty:BPA)の有効性が報告されており,予後は延長傾向である。
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