特集 乳癌の診断・治療
総論
乳癌診療ガイドライン2018年版 検診・画像診断:変更のポイント
植松 孝悦
1
1静岡がんセンター 乳腺画像診断科 兼 生理検査科
キーワード:
乳がん検診
,
乳房画像診断
,
乳癌診療ガイドライン
,
画像診断ガイドライン
Keyword:
乳がん検診
,
乳房画像診断
,
乳癌診療ガイドライン
,
画像診断ガイドライン
pp.315-326
発行日 2019年4月5日
Published Date 2019/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000804
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現在,乳房画像診断に使用されるモダリティは非常に多岐に及ぶ。従来,乳房画像診断のモダリティといえば,マンモグラフィと超音波検査であった。しかし,近年では日本の多くの施設で,乳房MRIが術前の広がり診断目的でルーチンに行われている。マンモグラフィにおいてもスクリーン・フィルムからデジタルに移行が進み,デジタルマンモグラフィの技術を応用した乳房トモシンセシスが普及している。さらに欧米では,造影デジタルマンモグラフィも臨床に使用され,超音波検査はBモードとドプラ技術に加えてエラスグラフィとreal-time virtual sonography(RVS)がナビゲーションシステムとして臨床的に使用されており,乳房造影超音波検査も保険収載されるに至った。そして,全乳房自動超音波検査システムも乳がん検診に導入されようとしている。また,乳房専用PETも保険収載され,乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術にMRIガイド下も追加保険収載された。このように乳房画像診断のモダリティは,短期間に目まぐるしく怒濤のごとく,新モダリティが臨床現場に登場している。画像診断を専門とする放射線診断医が乳房画像診断のモダリティについて正確に理解して,多岐にわたるこれらのモダリティについて適正に使用されるように乳房画像検査をコントロールすることが求められており,それが患者医療の最適化と我が国の医療経済の健全化に重要な鍵となる。正確な画像診断の提供と画像検査の適応の適正化は放射線診断医の重要な役目である。
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