連載
今月の症例
小山 雅司
1
1岡崎市民病院総合診療科
キーワード:
身体的虐待
,
非偶発的外傷
,
腹部臓器損傷
Keyword:
身体的虐待
,
非偶発的外傷
,
腹部臓器損傷
pp.853-855
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000497
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画像所見 造影CT(図1):十二指腸水平部から近位空腸の壁が肥厚している。十二指腸空腸移行部に,壁の造影効果が限局性に低下した領域を認める(図1C▷)。同部周囲の後腹膜や前腹壁下に大小の結節状ガスが散在している(図1A~C⇨)。前傍腎腔の吸収値は上昇して液状を呈し,腹水も認められる。
腹部単純X線(図2):仰臥位(図2A),立位(図2B)とも腸管ガスの形状や分布,実質臓器影に異常なく,遊離ガスや腹水を認めない。立位では左半身の緊張を和らげるように軀幹が左に傾いており,痛みの原因が左に存在することがうかがえる。
右第9肋骨の側方には化骨を伴う変形と硬化像を認める(図2C⇨)。第8肋骨にも淡い硬化像が疑われる(図2C▷)。
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