特集 日常診療に役立つ小児画像診断のコツ
単純X線撮影 四肢関節 日常診療で比較的遭遇率の高い骨折および身体的虐待による骨病変
槇殿 文香理
1
,
河野 達夫
1東京都立小児総合医療センター 診療放射線科
キーワード:
Monteggia骨折
,
X線診断
,
骨疾患
,
骨折
,
四肢
,
児童虐待
,
上腕骨骨折
,
全身イメージング
,
身体的虐待
Keyword:
Bone Diseases
,
Humeral Fractures
,
Monteggia's Fracture
,
Physical Abuse
,
Child Abuse
,
Radiography
,
Extremities
,
Whole Body Imaging
,
Fractures, Bone
pp.1380-1385
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2022011594
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<Key Points>(1)成長中の小児の骨折には、不完全骨折・骨端軟骨損傷といった特有の骨折がある。成長障害・遺残変形などの合併症を回避するためにも、これらに精通し適切な評価を行う必要がある。(2)骨折が疑われるにもかかわらず、明らかな骨折線が指摘できない場合、関心領域のほかの角度での追加撮影および2週間後のフォローアップ撮影、あるいは超音波・CT・MRIなどほかのモダリティを考慮する(ただし、放射線被ばくを伴うすべての画像検査は、常にALARAの法則に則り行われるべきである)。(3)身体的虐待が疑われる場合、全身骨撮影は微細な骨病変の検出に耐えうる条件で撮影されるべきである。これは夜勤帯の人手の足りない状況では得るのが困難であり、児を入院させた後、精査を進めるべきである。
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